債務者が争う姿勢を見せている場合には、仮差押を利用するということもありま
す。
仮差押は、こちらが提出した証拠だけをもとに行いますから、債務者の資産隠し
を防止するだけでなく、債務者に対する相当な圧力にもなります。
この方法は、仮の形ではありながらも、いきなり強制執行の方法をとるようなもの
です。

こうした方法を念頭に置きながら、実際に(債務整理の際の)債務者と交渉にあ
たるわけですが、その際に注意しておくことが2つあります。
1つは、少しでも多く取り立ててくるという観点です。
もう1つは、後に法的手段をとることに備えて、立証のための資料を確保すること
です。

・債務者のおかれた状況を考えた回収( 債務整理)戦略を

最も理想的な債権回収( 債務整理)は、請求をしただけで債務の履行をしてもら
えることです。
もちろん、それがかなえば苦労はないのですが、請求自体が効果的なものであっ
たかどうかは、考えてみてもよいでしょう。

真夜中に債務者の自宅を頻繁に訪れるというような、非常識なことはさすがに
できませんが、受け取っていた高額の手形が不渡りになったというように、突発
的な事情が発生したときには、夜中の訪問も全く許されないわけではありません。
要は、最も効果がありそうな請求方法を時間・場所・状況に応じて選択するという
ことです。

・個人事業であっても会社と社長は別人格

法律の世界では、夫婦や親子であっても人格は別です。
これは、会社という組織と、そのオーナー社長との間も同様です( 債務整理の際、
注意)。
極端な例ですが、実質的には個人企業である「(株)田中一郎商事」とその社長
「田中一郎」との間も、法律上は別の人格として扱われます。
「別の人格」とは、財産の所有も債務の負担もまったく別々ということです( 債務整理
の際、注意)。

会社が倒産( 債務整理)した場合、会社に財産はなくとも、社長個人には財産が
あるという場合はけっこうあります。
たとえその会社が事実上の個人企業で、しかも社長の財産も会社の財産も、区
別はさほど明確ではなかったとしても、名義が異なれば、法律上は、会社の債務
を社長個人の財産で弁済 (返済)せよ、ということは当然にはいえません。
名義が異なれば、そこには法律上大きな壁があるということになります。

取引先に悪い噂が立ったり、返済の約束を破ったりした場合には、個人保証を
要求するチャンスといえます(債務整理の際、注意)。
会社と社長個人とは別人格とはいっても、会社に債務が発生したのは、もともと
は社長や代表者の行為によるものでした。
それが焦げついたということになれば、やはり知らん振りはしにくいものです。
会社と社長個人の壁を打ち破るのが、社長の個人保証という方法です。